株式投資で配当金をもらいました。総合課税で確定申告をするとお金が返ってくると聞いて私も手続きしようと思っているんですが、配当控除など難しい用語もでてきてよく分かりません・・・。書き方や記入例、入力方法を教えてください。
今回の記事ではそんな方のために、配当金を総合課税で確定申告したサラリーマンの私が実際の確定申告の画面で解説します。
今回はイメージが付きやすいようにAさんの事例をもとにリアルな数字で確定申告書を作成していきたいと思います。
年収700万円でもお金が返ってくる
一般的には証券会社で特定口座(源泉徴収あり)で株式を購入する方が多いですが、総合課税で確定申告をするとお金が返ってきます!!
果たしてどれだけお金が返ってくるんでしょうか。これから申告書を実際に作成していき確認していきたいと思います。
・源泉徴収票
・特定口座年間取引報告書
源泉徴収票は12月になると会社から発行されるはずです。手元に確定申告を行う年度のものを用意してください。
また、配当金を受け取った証券会社から年末に特定口座年間取引報告書という書類が発行されます。
ちなみにSBI証券は自分でWEBサイトから閲覧しダウンロードも可能です。
以下のサイトで閲覧の仕方が分かります。
確定申告と聞くと、めんどくさい・・・難しい・・・というイメージがある方が多いと思います。
でも確定申告は一度慣れてしまえば簡単です。
そして今ではスマートフォンでも申告書を作成することができ、税務署へ行かなくても申告が完了してしまう時代です。
金額の計算も自動でやってくれるので必要事項をしっかりと入力していけば難しくありません。
この記事の通りに入力していけば配当所得の総合課税の申告がマスターできます。
確定申告書を作成してみましょう
インターネットで「確定申告」と調べると国税庁のホームページが出てくるので「確定申告はこちら」からアクセスします。
①「確定申告書等の作成はこちら」をクリックします。
①「作成開始」をクリックします。過去に確定申告を作成したことがあり、データを保存している方は
「保存データを利用して作成」をクリックしてデータを読み込んでください。
また途中で作成したものを保存することもできます。保存したデータを利用して申告書の作成を再開したい場合は
同様にデータを読み込んでください。
ここでは税務署への確定申告の提出方法を選択します。この記事では印刷して提出する方法を想定して進めていきます。
ただ、実際にはわたしはマイナンバーカードを持っているのでe-Taxを利用して申告しました。
e-Taxも画面や入力する項目が印刷して提出の場合とほとんど同じなので印刷とe-Taxとどちらの方法でも
この記事を見ていただければ申告ができるようになります。
①「印刷して提出」をクリックします。
ここは自分のネットワークの環境の確認になりますので基本的には問題がないかと思います。
①「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
確定申告は所得税の申告になるので①「所得税」をクリックします。
ここから実際に数字を入力し申告書を作成していきます。順番に入力していけば難しくありません。
①「作成開始」をクリックしましょう。
生年月日の入力と質問に答えていきます。
①生年月日を入力します。
②今回は総合課税で配当所得を申告するので「はい」を選択します。
③サラリーマン(給与所得者)のため青色申告はしていません。「いいえ」をクリックします。
④税務署から予定納税額の通知は受けていないはずなので「いいえ」をクリックします。
⑤「次へ進む」をクリックします。
収入金額・所得金額の入力
今年度分の所得がどれだけあったのかを入力していきます。この記事ではサラリーマンの方を想定して作成します。
サラリーマンであるAさんは会社からの給与所得しか受け取っておりませんので
給与所得①「入力する」をクリックします。
年末になると会社から源泉徴収票が発行されます。年末調整は済んでいるものを想定しています。
源泉徴収票を用意していただき①「入力する」をクリックします。
給与所得の入力
ご自身の源泉徴収票を見ながら①から⑤まで記載の通りの金額を入力していきましょう。
①支払金額
②源泉徴収税額
③「(源泉)控除対象配偶者の有無等」、「配偶者(特別)控除の額」のいずれかの記載
④控除対象扶養親族の数の記載
⑤16歳未満扶養親族の数の記載
⑥社会保険料等の金額
⑦~⑫生命保険料の控除額の記載
生命保険や個人年金保険などに加入している方は年末調整で生命保険料控除を申告しているはずなので忘れずに金額を入力していきます。
⑬地震保険料の控除額の記載
⑭旧長期損害保険料の金額
火災保険に加入していて地震保険にも入っている方は地震保険料の控除を受けることができます。
地震保険に加入している方は忘れずに入力しましょう。
⑮住宅借入金等特別控除の額の記載
⑯住宅借入金等特別控除の額の内訳
住宅ローンなどで借入れをしている方は入力します。源泉徴収票に記載の通りに入力していけば大丈夫です。
⑰所得金額調整控除額の記載
⑱本人が障害者、⑲寡婦、ひとり親、⑳勤労学生のいずれかの記載
最後に支払者の欄に自分の会社名と住所を入力し、漏れなく入力できたら右下の「入力内容の確認」をクリックします。
①に支払者の氏名などが入力されたのを確認しましょう。
②「次へ進む」をクリックします。
配当所得の入力
①に源泉徴収票の金額を入力した内容から計算した金額が出てきます。
これで給与所得の入力は完了しました。
確認できたら次は今回のテーマでもある配当所得を入力していきます。ここだけ入力できればあとは簡単です。
がんばりましょう。
②配当所得「入力する」をクリックします。
まずは配当所得の課税方法を選択していきます。
今回は既に証券会社で引かれている税金を総合課税で申告することによって還付をするというテーマです。
①「総合課税」をクリックします。
次に、実際にどれだけ配当金を取得したのかを入力していきます。
ここで必要になってくるのが株式を購入した証券会社から発行される「特定口座年間取引報告書」です。
②「特定口座年間取引報告書」の内容を入力するをクリックします。
基本的には郵送で受け取るか各証券会社のWEBサイトから特定口座年間取引報告書を取得しますので、
①「書面で交付された特定口座年間取引報告書の入力」をクリックします。
「書面で交付された特定口座年間取引報告書の入力」をクリックすると下に口座情報を入力する欄が現れます。
①源泉徴収の選択有無を入力します。
基本的には特定口座(源泉徴収あり)の口座を選択している方が大半かと思います。
Aさんも証券口座で既に配当金は源泉徴収されているので①「有」をクリック。
②特定口座年間取引報告書を見ながら勘定の種類を選択してください。
③配当金の申告をするので配当等にチェックします。
【特定口座年間取引報告書】
特定口座年間取引報告書を見るとピンク色の入力例と同じような書式になっているので
①~④まで特定口座年間取引報告書に記載されている金額を転記していきます。
①特定口座年間取引報告書を発行した証券会社を入力します。
②別の証券会社でも株をもっていたり配当金をもらっている場合は「もう1件入力する」をクリックします。
③すべて入力し終わったら「入力終了(次へ)」をクリックします。
配当控除の入力
次に総合課税の場合に控除が許されている「配当控除」を入力していきます。
①「配当控除の入力」をクリックします。
①内訳別の配当などの額を入力していきます。一般の方で株式投資でもらう配当金の場合は「0円」になるかと思います。
②「計算」をクリックします。
下にスクロールしていきましょう。
①「入力終了(次へ)」をクリックします。
配当控除の入力をする前の画面に戻ってきます。
未入力だった画面に配「当控除10%の対象となるもの」の欄に金額が入力されていることが確認できます。
これで配当控除の入力は完了しました。
①「入力終了(次へ)」をクリックします。
昨年度分の確定申告で繰り越しはしていないので①「いいえ」をクリックします。
昨年度に繰り越しをした方はここで入力をしてください。
②「入力終了(次へ)」をクリックします。
これで給与所得と配当所得の入力ができました。
ここまで来ればあと少しです。
「入力終了(次へ)」をクリックします。
所得控除の入力
ここでは所得控除を入れる欄がありますので、ふるさと納税をやっている方や医療費控除を合わせて申告する方は①、②で入力をしていきます。
全て終わったら③「入力終了(次へ)」をクリックします。
次のページに進むと先ほど入力した配当控除が入力されています。
1,000万円以下の配当金の場合は対象となる配当金の10%分が税額控除されます。
Aさんの場合は5,500円の配当金をもらっていますので5,500円×10%=550円が今回の配当控除の額になります。
そのまま下へスクロールし、①「入力終了(次へ)」をクリックします。
計算結果確認
全て入力されると還付される金額が計算結果として出てきます。
今回は287円の還付となりました。
確定申告をする前は5,500円の配当金に対して所得税が15.31%=842円かかっていました。
ところが、5,500円の配当金を総合課税にすることで課税所得の税率は20%ですが、配当控除で10%を控除することができます。
そうすると実質10%ほどの税率でよくなるため5%ほどの税金を払いすぎていたことになり、還付金が発生する仕組みです。
今回Aさんはまだ配当金が5,500円だけですが、これがどんどん増えていけばその配当金の5%ほどが返ってきます。
またAさんは年収700万円程ですが、それでも所得税の課税所得の税率は20%です。
総合課税で確定申告する方が絶対にお得です。
金額を確認したらあとは振込先などを最後に入れて終了です。
①「次へ」をクリックします。
住民税・事業税に関する事項
1~6の項目に該当する方は①「住民税・事業税に関する事項」をクリックして必要な情報を入力しましょう。
4に配当所得等がある方の入力項目がありますが、ここは非上場株式の配当に関する事項なので入力は不要です。
全て入力し終わったら②「入力終了(次へ)」をクリックします。
このページでは受取方法を選択し、口座情報を入れていきます。
口座情報が入力し終わったら住所・氏名を入力し、申告書を提出する税務署を選択します。
全て入力が完了したら①「次へ進む」をクリックします。
マイナンバーをお持ちの方は①に番号を入力し、②「次へ進む」をクリックします。
これで全て申告書の作成が完了しました。帳票表示をすると作成した書類が確認できます。
紙で提出される方は申告書を印刷し提出すれば完了です。
配当金をこれからも毎年もらう方は今後毎年確定申告が必要になります。①「入力データを保存する」でデータで保存しておくと便利です。
②そして提出書類についての注意点です。源泉徴収票や特定口座年間取引報告書は提出が不要になっているので特に必要ありません。
「終了する」をクリックしてこれで申告書の作成は全て完了しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
配当金が少ない場合は還付金もすこししかもらえませんが配当金がもっと多くなれば還付される金額も馬鹿になりません。
ぜひ、毎年確定申告をして少しでも還付金を受け取りましょう。
細かい入力項目などや詳細については直接税務署にお問い合わせいただければと思います。